・音質

音質を良くするには、まず「どんな音を出したいのか」というイメージが必要です。

それをより明確にするには、誰か目標となるチューバ奏者を決めるといいでしょう。 プロのチューバ奏者のCDを参考にしたり、上手な先輩を観察したりと、人それぞれですが、 私の場合は「シカゴ響のジーン・ポコーニー氏」を目標にしています。 最も大きな理由として、ポコーニ氏が使っている楽器とマッピが、私のものとほぼ同じだからです。

このように、自分と同じ楽器を使っているチューバ奏者を目標にするのもいいと思います。


太く、豊かな響きを出すには、簡単に言うと
「唇には必要以上の力はかかっていない」
ようにします。つまり、トランペット奏者のように
「唇を引き締めすぎる」
のはチューバでは好ましくありません。
そして、高音、低音でも、アンブッシュアがあまり変わらないのが理想です。
(もちろん多少アンブッシュアが変わらないと音は変えられません。 あくまで極端に変わるのはよくないという風に解釈して下さい。)
こうすると上から下まで一様な音色が得られます。
(時折、高音(低音)はいい音なのに低音(高音)は音が割れているチューバ奏者を見る事があります。 この原因は、主に高音と低音でアンブッシュアが極端に変わっているためです。)


では実際に「響きのある音」をどう出すのか、詳しく書いていきます。

1、肺活量を増やす。
2、唇に入りすぎている力を徐々に抜いていく。
3、吹いている時は「オーー」というバリトンの声で発声するイメージで吹く。

のように1〜3が基本。 私はこれを心掛けています。

1ですが、私の場合は中学校の頃から「大きな音で長く吹こうとしていた」ので、
:あくまで音量と長さだけで、音質はとても聞けたものではありませんでした…)
いつの間にか肺活量が増えていた、という感じです。
ですが、実際肺活量は肺の容積が増えるというよりも、 限られた肺の空気を無駄なく使えるようになる または 肺に効率良く空気を取り込めるようになる という表現になると思います。

しかし、初心者の人に「もっと息を吸って!」とか「肺活量を増やして!」と言っても、 なかなかそのニュアンスが上手く伝わりません。それどころか、必死に力んで吹いてしまい、 逆効果になる場合が見受けられます。そこで、私は「あくびをするときの息の吸い方と吐き方」 が一番分かりやすい表現だと考えています。

また別の方法で例えてみると、「肺を倉庫」とすれば、「息という荷物」 を奥から詰めていかないと多く収納できません。

一度ゆっくり息を吸ってみて自分の呼吸の仕方を観察してみてください。 そして上記の様なイメージで吸ってみてください。 きっとたっぷりと息が入るはずです。


そして2ですが、高音金管楽器のように、 唇をかなりしめて吹いているチューバ奏者を見ることがあります。 確にチューニングB♭以上の高音になると多少は力を入れますが、 あまりに力を入れると響きが損なわれるばかりか、悪い癖になりますし、 唇にかなりの負担がかかります。

また、口の周りを必要以上に力んで吹くと息が細くなり、1を実践しても効果が得られません。 一方リラックスした口が作れるようになると、低音域の拡大にもつながります。


3は「喉を開ける」ことを目的としています。また「上下のはの間を適度に保つ」効果も あると思います。私の経験からこれらを満たすのが「オーー」と発声する喉の形です。 これによって音の幅が広がりましたし、音色もかなり改善されました。


上記の3点を見直すと音質だけでなく、音量にも明らかな変化が出てくるはずです。 長い目で見て、常に心がけていれば音は日に日によくなっていきます。


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