◎現状と方向性

前回のニッカンのB♭バスとは違い、今回はE♭バス。 刻印から1964年製だと思われます。 以前のニッカンは年式の割に程度がよかったのですが、今回は凹みやラッカーの剥げ落ち、 サビなど、各所に年代相応の傷みがあります。

U字管の度重なる凹み 一度や二度ではない転倒の傷跡

とりあえずこのへこみは重傷です。 分解修理は最優先、必須事項。 幸いにもピストンや抜き差し管はすべて快調。
最初は3番管が抜けなかったのですが、 いつもお世話になっているグランド楽器で抜いてもらいました。 しかし、3番管の付け根にへこみがあるため、左の写真のように管が全て入りません。 へこみを直すだけでなく、管を切断する必要がありそうです。
このように駆動部には致命的なダメージがないので、修理は凹み部分のみ。


では修理が終わった後の改造をどうするか。 今考えているのは、

1、B♭、E♭切り替えロータリーの増設。
2、4番、5番ロータリーの増設。
3、ノンラッカー化。
4、サテン仕上げ。

などです。
このコンパクトなチューバがB♭、E♭両方で使えたらどれだけ便利な事か! しかし3本ピストンE♭バスなので、下のAまでしか出せず、低音域に弱い。 できれば4番ピストン(ロータリー)が欲しい。 そしてどうせ増設するなら5番も一緒に付けてしまえばいいのではないか。
1と2の改造はこの楽器を実用化するため、非常に重要なものです。

次回は早速楽器の分解に挑戦です。


次項
ニッカン縦バス改造記その2
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